革の破れ

 
革の破れで大事なことは、「破れた革を残しておくこと」です。決してむしり取らないようご注意ください。このパンプスは特に、パール仕上げ品ですので要注意。例え、ほんの一部の革だけでも消失してしまったら、品位が無くなってしまいます。ちゃんと、革が残っているから、またご使用になれますよ。  
 
 
これもパール仕上げ品です。やや透明感のある革ですが、それが逆に褪色し易い特色にもなっています。破れた部分を修復して整形し、ついでに全体の色合いもリフレッシュさせました。ちょっと見た目では、「どこを直したの?」と言われるくらい、ご本人以外には全く分かりません。お客様には、たいへん喜んでいただきました。  
 
愛着のあるバッグには、お客様のコメント付きで送って来られます。現品を診ると、愛着度が十分伝わって来ます。持ち手、かぶせ、ファスナー周辺が一番傷んでいて、「このバッグは、いつも一緒なんだなぁ」と分かります。でも、「革の破れ」は、かなり気になるものですね。時間が経つと破れた革が茶色くなって枯れて来るのです。  
 
 
このパンプスは、ある百貨店の店員さんからのご依頼です。当社の品質を試された例です。出来上がりではこの写真より、実物の方がかなり品位が良いと思います。表面に一切化粧をしていないタイプの革ですから、当社と他社との品質の差が、はっきりと分かるタイプです。失礼ながら、他社の塗装では、いかにも「塗ったな!」と分かります。  
 
このヒールの破れは、当初「革の取替え」をお奨めしました。ところが、たまたま修理店が「現在、同じようなタイプの革が無いので、しばらく時間がかかる」ということでした。「もし、よろしければ、当社が整形しましょうか?」と提案して、この仕上がりになりました。お客様は、「あっ、これで十分だわ!」と言ってくださった例です。ヒールの革巻きだけの修理なら、料金は安いでしょうが、この場合は全体の汚れやキズ、磨耗も直して、さらに仕上げも行い、ついでにヒールもこの通り。結果としてたいへんお得でしょう!  
 

ご依頼いただいたお品物は、可能な限り、直せるところは直す。それを徹底的に行なっています。最近では、修理専門店とのコラボレーションも始めました。それぞれ、餅屋は餅屋で、自社のサービスを超えることは、専門家に任せるのが一番です。修理店様へ!この程度の革の破れは、当社にお任せください。